土地活用を成功させるために
地主様にとっての「土地活用」は、賃貸マンション・アパート事業にとどまりません。相続税・固定資産税など節税や収益を目的とする「土地活用」は、賃貸マンション・アパート事業から、青空駐車場、コンビニエンスストアのような形態まで、収益性、安全性、効率性などの経営的な視点から決定することが望ましいのです。
確かに、賃貸マンション・アパート事業による「土地活用」は、大変有効な手段です。しかし、以前のように収益をあげつづけることは難しくなってきています。一番の要因は、年々増加している『空き室』問題であり、この『空き室』を埋めることができる賃貸事業が必要とされています。
『空き室』が生まれる原因は、賃貸マンション・アパートの部屋数が入居者数より多いことです。つまり、これまでのような、安価な『部屋』に人を詰め込むという入居者の居住性を無視した賃貸マンション・アパートが通用しなくなったことを意味します。 賃貸マンション・アパート事業は、入居者に“『部屋』を貸す”立場から、入居者に“『部屋』を選ばれる”立場に変わってきているのです。
賃貸住宅経営の問題点の顕在化
オーナの観点から見た場合、これまでの賃貸事業の成功要因。それは、空室期間を限りなくゼロに近づける事を前提に入居者がむしろ長く住みたいとは思わないような賃貸住宅を作る事であり、その事で部屋毎の回転率を上げて、手取り収入の最大化とかけるコストの最小化を図ると言うものでした。 これは、入居者が賃貸住宅を仮住まいと考え、「安かろう悪かろう」と割り切る事にストレスを感じなかった事を背景に成り立っていたと言えます。しかし現在では、賃貸住宅といえども「安かろう、悪かろう」では済まされない時代となってきているのです。こうなってくると、いよいよ今まで表立って取り沙汰されなかったオーナー利益の最大化と入居者利益の最大化が本質的に抱える利益相反関係が顕在的な問題として立ち上がってくるのです。
国土交通省が奨励するSI住宅
SI(スケルトン・インフィル)住宅とは、建物をスケルトン部分(構造躯体)とインフィル(内装・設備機器)に分ける住宅で、国土交通省も推奨しています。 日本のマンションは通常、内装材や設備の老朽化などにより平均寿命が26年と言われています。 構造躯体は しっかりしているのに、配管設備などの老廃により解体、そして新築という無駄を繰り返していました。 そこで、 構造躯体(スケルトン)と内装・設備機器(インフィル)を明確に分離し、住む人のニーズに合わせ間取りや 内装のリフォームを容易にしながらも100年以上長持ちさせる仕組みをもったSI(スケルトン・インフィル)住宅が今注目されているのです。
建物のコストは一般に建設時のコストであるイニシャルコストだけが注目されがちですが、実際のところは、その建物を維持管理する上でのライフサイクルコストが掛かってきます。ですから、実際の建設コストはイニシャルコストとライフサイクルコストの合算で考えなければならないのです。 SI(スケルトン・インフィル)住宅は、このライフサイクルコストの低減に重点を置いた構造なのです。昨今の情報設備関連に関わる飛躍的な技術革新が、ライフサイクルコストの重要性を決定的に変えてきています。例えば、日々高速化していくインターネット関連のインフラ環境をタイムリーに更新できる事は、まさにその建物の欠くことの出来ない基本性能そのものに他ありません。住まいの欠くべからざる基本性能を高いレベルで備えることのできるSI(スケルトン・インフィル)住宅であることが、これからの住宅のカタチであるのです。